Facebook2011.02

ロゴマークから俯瞰する「HTML5」の8つのテクノロジー

先ごろ、W3Cから「HTML5」の普及促進を目論んだロゴマークが(公式ではないものの)発表されました。

http://www.w3.org/html/logo/

メインのロゴに加えて(左:MARK+WORDMARK)、関連する8つのテクノロジーそれぞれにサブアイコンが用意されています(下)。

各々のサイトでどのテクノロジーが使用されているのか、このサブアイコンを見ればひと目で分かる、ということらしいですね。

ところで、W3Cのロゴに関してのWebページには、8つのテクノロジーの簡易な説明があります。広義の意味での(バズワードとしての)HTML5の全体像をつかむのに良い勉強になるかと思い、日本語に訳してみました(妻に助言を求めながら)。またそれに加えて、私なりの解釈、とりあえずの個人的な落し所を「超意訳」という形で併記しました。(誤解、誤訳、勘違いあればお許しください)

SEMANTICS

“Giving meaning to structure, semantics are front and center with HTML5. A richer set of tags, along with RDFa, microdata, and microformats, are enabling a more useful, data driven web for both programs and your users.”

日本語訳

構造に意味を持たせるセマンティクスは、HTML5の要です。RDFa、microdata、microformatに加えて、さらにタグが豊富になり、プログラムにとってもユーザにとってもより使いやすいデータ駆動型のウェブを実現します。

超意訳

ユーザーの(検索)要求をより満足させるための手段としては、既にRDFa、microdata、microformat(いわゆるリッチスニペット)でマークアップする方法がある。HTML5では、新しく追加されたタグを使用し、アウトライン(文章の論理構造)のルールに従えば、これまで以上にプログラムに理解されやすいWeb、ひいてはユーザーの要求に過不足なく応えるWebが実現する。(将来的にSEOに大きな影響を与える可能性は大きいと予測。ある意味、セマンティクスに則っていれば、それがそのままSEO対策になることを意味する?)

OFFLINE & STORAGE

“Web Apps can start faster and work even if there is no internet connection, thanks to the HTML5 App Cache, as well as the Local Storage, Indexed DB, and the File API specifications.”

日本語訳

HTML5 のApp Cache、Local Storage、Indexed DatabaseおよびFile API によって、インターネットに接続していない場合でも、ウェブアプリケーションを以前より素早く起動、稼働させることができます。

超意訳

オンライン上のWebアプリ(ブラウザー上で動作するアプリ)そのものが、パソコンにキャッシュされ、オフライン状態でも作業ができ、保存もできるようにする技術。

DEVICE ACCESS

“Beginning with the Geolocation API, Web Applications can present rich, device-aware features and experiences. Incredible device access innovations are being developed and implemented, from audio/video input access to microphones and cameras, to local data such as contacts & events, and even tilt orientation.”

日本語訳

W3C Geolocation APIをはじめ、ウェブアプリケーションが豊富なデバイス認識機能と体験を提供します。非常に革新的なデバイス・アクセスが開発されており、オーディオおよびビデオ入力から、マイクやカメラ、連絡先や予定などのローカルデータ、さらにはtilt orientationが利用できるようになります。

超意訳

たとえば、ビデオカメラをパソコンに繋いで撮影すると、それがそのまま配信されて、どこにいてもWeb上のブラウザーで観ることができるようになる技術。(要はUstreamみたいのものか? デバイスとあるので様々なことが考えられそうだ。いわゆるテレビ会議や、楽器を繋ぎあって遠隔セッションするとか?)

CONNECTIVITY

“More efficient connectivity means more real-time chats, faster games, and better communication. Web Sockets and Server-Sent Events are pushing (pun intended) data between client and server more efficiently than ever before.”

日本語訳

コネクティビティの改善によって、リアルタイムチャット、ゲームのスピード、コミュニケーションも改善されます。Web SocketsやServer-Sent Eventsが、従来よりも効率良くクライアントとサーバ間にデータを(文字通り)プッシュします。

超意訳

Web Sockets(HTTPを介さずサーバーとクライアントを繋ぐ技術)、Server-Sent Events(HTTPを介しながら、サーバーからデータをプッシュする技術)を使用することでデータの遣り取りのレスポンスを格段に向上させる技術。

MULTIMEDIA

“Audio and video are first class citizens in the HTML5 web, living in harmony with your apps and sites. Lights, camera, action!”

日本語訳

オーディオとビデオはHTML5ウェブにおいて第一級市民(first class citizens)です。ともにアプリケーションやサイトと連動しながら機能します。ライト、カメラ、アクション!

超意訳

<vidoo><audio>タグを使用すれば、動画、音声がブラウザーだけで再生可能。(ただし、今のところブラウザーによって扱えるファイル形式が異る)

3D, GRAPHICS & EFFECTS

“Between SVG, Canvas, WebGL, and CSS3 3D features, you’re sure to amaze your users with stunning visuals natively rendered in the browser.”

日本語訳

SVG、Canvas、WebGL、CSS3の3D機能によって、ブラウザ内でネイティブにレンダリングされる素晴らしいビジュアルにユーザは驚くに違いありません。

超意訳

SVG(svgタグ:ベクター2次元)、Canvas(JavaScript: ベクター2次元/動画)、WebGL(JavaScript: ベクター3D/動画)で、素晴らしいビジュアル表現が可能になる。(FLASH同等以上の表現をおこなうためには、習得すべきことがどれだけになるのやら。Adobeがなんとかしてくれるかなぁ…)

PERFORMANCE & INTEGRATION

“Make your Web Apps and dynamic web content faster with a variety of techniques and technologies such as Web Workers and XMLHttpRequest 2. No user should ever wait on your watch.”

日本語訳

Web Workers、XMLHttpRequest 2をはじめとする、さまざまなテクニックやテクノロジーが、ウェブアプリケーションや動的なウェブコンテンツのスピードを向上させます。もうユーザーを待たせることはありません。

超意訳

Web Workers(Webアプリの裏側でJavaScript処理を実行)、XMLHttpRequest 2(異るドメインと通信が可能)によって、これまでよりもスピーディーなWeb体験が可能となる。

CSS3

“CSS3 delivers a wide range of stylization and effects, enhancing the web app without sacrificing your semantic structure or performance. Additionally Web Open Font Format (WOFF) provides typographic flexibility and control far beyond anything the web has offered before.”

日本語訳

CSS3は、意味構造やパフォーマンスを低下させることなく、ウェブアプリケーションを強化し、幅広いスタイル化やエフェクトを提供します。さらに、Web Open Font Format(WOFF)により、これまでのウェブと比べ、フォントの扱いがはるかに自由になります。

超意訳

(CSS3にはとりあえず言う事はない。が、Webフォントについては、日本語フォント環境はまだまだなので、「自由」とは言い難く、縛りの方が多いんじゃなかろうか)


2011年2月17日 3:41 AM